秋になると、話題になる松茸。
輸入品でも結構なお値段ですが、国産となると、
とても手が出る値段ではありません。
「香り松茸 味しめじ」と言われている松茸ですが、以前は
椎茸よりも安かったとか。
それが今では高級品ですね。
そこで、松茸はなぜ高いのかを調べました。
松茸はなぜ高い?その理由
松茸はいまだに天然もののみで、他のキノコ類と違って
人工栽培が全くできないから値段が高いんです。
シイタケやエノキタケ、しめじなどは、食料品店や
スーパーマーケットで、1パック100円程度で販売されて
いますよね。
それは、人工栽培ができるため、安定供給ができるから
なんです。
しかも、1年中切れることなく買うことができますよね。
松茸が人工栽培できない2つの理由
松茸が人工栽培できない理由は2つあります。
【松茸は「菌根菌」のキノコだから】
キノコは大きく、
「菌根菌(きんこんきん)」と
「腐朽菌(ふきゅうきん)」に分かれます。
「腐朽菌」は主に死んだ木に付き、栄養を一方的に
吸収します。
シイタケ、エノキタケ、ナメコ、ヒラタケ、マイタケ、
タモギタケなどは、この「腐朽菌」に分類されます。
シイタケやシメジなどのキノコは、ブナやナラの倒木に
寄生するため人工栽培が可能なんです。
これに対して、「菌根菌」は生きた木に付いて相互に栄養
などのやり取りをするものです。
松茸は「菌根菌」です。
「菌根菌」は生きた植物の根と共存しなければ生きていけ
ないんです。
松茸は生きた松の根に寄生するので、まず生きたアカマツが
必要となります。
松茸は生きたアカマツの木の根から直接エネルギー源の
糖分を受け取り、
アカマツのほうも、マツタケのおかげで土壌中のリンや
カリウムなどの栄養分や水分を効率よく吸収できます。
互いに利益を得られる共生関係なんです。
【松茸の生態がよく分からない】
マツタケを人工的に栽培しようとする試みは、昔から何度も
行われているんですが、まだ成功していないんです。
松茸はアカマツで生育しますが、生きたアカマツがあれば
いいのか、と言えばそうではないんです。
松茸は樹齢25年ほど経ったアカマツがお好みのようで、
あまり若い木には発生しないんです。
また、
自然に育った天然の松茸は、毎年同じ場所に生えてくる
といいますが、同じ場所に発生することもあれば、生えて
こない時もあり、少し移動して生えている場合もあります。
アカマツに対して松茸の菌自体がどのように翌年に
引き継がれていくのか、松茸が生育する環境条件が
解明されていないので人工栽培ができないんですね。
昔の松茸が安かった理由
松茸は、痩せた土地で育ちます。
赤松(松科の常緑針葉樹)の木の根元に自然に生息します。
腐葉土が無く栄養素が無い痩せた土壌で良く生育するんですね。
以前は、生活のために使う火は、もりの中から拾ってきた
木を使っていました。
そのため、人が森の中に分け入っていたので、落ち葉が
たくさんつもり、土の栄養分となることがありませんでした。
ところが、プロパンガスが普及すると、もりの中に人が
入っていかなくても済むようになり、落ち葉がたくさん
つもり、土の栄養が豊富になりました。
栄養素の高い腐葉土は松茸の生育に適さないため、次第に
松茸が少なくなっていきました。
それで、マツタケが希少なものとなり、値段が高騰して
いったんです。
松茸が生えつづけるために
松茸が生え続ける環境は、何もしないと減り続けます。
落ち葉の整理をしたり、アカマツの森林を、松茸好みに
整えたりしなければなりません。
また、松茸狩りができる山田と、案内品などが必要になります。
松茸が毎年撮り続けることができるようにするには、費用が
かかるんですね。
そうした経費が、松茸の値段に反映している部分もあります。
輸入松茸の規制
松茸は、栽培ができないため、国産では足りないので、
輸入されます。
一時期、中華人民共和国産が市場に多く出回っていましたが、
高濃度な農薬の使用・違法採取・商品偽装が世間に知られて、
市場に出ることはなくなりました。
そこで、大韓民国産・アメリカ合衆国産・カナダ連邦産・メキシコ
産が輸入されるようになりました。
さらに、ブータン王国産・ミャンマー連邦共和国からも輸入
されるようになりました。
ただ、植物防疫法により、輸入する時に松茸に付着している土を
落とすことが義務付けられています。
松茸に付着した土を払うと、香りが著しく低下してしまうので
輸入松茸は国産に比べると値段が安いです。
まとめ
松茸は栽培ができないため値段が高い
プロパンガスの普及によって松茸が生える環境が
減ったため、価格が高騰した。
松茸の生える環境を整えるためには経費がかかる
輸入松茸は、植物法により、土を落とさなければならないので
香りが大分失われる